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中国株基本知識


A株、B株市場
中国本土の上海市場と深セン市場で取引される株式には「A株」と「B株」の2種類があります。A株とB株は、本土企業が発行する全く同一の権利、同一額面の株式ですが、取引対象とする投資家の違い(国内もしくは海外)によって、分けられています。

「A株」とは、中国国内で上場され、中国A株市場で取引される株式のことを指します。A株の取引は人民元建てで、中国の国内投資家専用の市場となっています。A株市場に上場する銘柄数は1204社(上海708社、深セン496社)。市場別の時価総額は、上海A株が約38兆円、深センA株が約19兆円となっています。

「B株」とは、中国国内で上場され、中国B株市場で取引される株式のことを指します。B株取引は、上海株は米ドル建て、深セン株は香港ドル建てで、中国の国外投資家向けの市場となっていましたが、2001年2月からは国内投資家にも開放されました。詳しくは、後段「QFII、QDII、CDRについて」で紹介します。B株市場に上場する銘柄数は110社(上海54社、深セン56社)。市場別の時価総額は、上海B株が約7000億円、深センB株が約5000億円となっています。

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A株とB株の関連性

まず、先に挙げた時価総額は、上海A株市場は上海B株市場の約54倍、深センA株市場は深センB株市場の38倍となっています。これは主に、A株市場とB株市場の上場企業数に大きな差があるためですが、一方で、A株とB株を同時に発行している企業のA株、B株の株価を比較すると、ほとんどが『A株>B株』となっています。この価格差は、中国市場で絶対的多数派である中国本土の投資家にとって、外貨建てのB株よりA株の方が投資しやすいこと、外国投資家にとってB株市場は、情報公開の不備や政策などによって業績が影響を受けやすいなど不安材料が大きいことなどによって生じています。

しかし、こうした価格差にも関わらず、A株とB株に付与される権利はまったく同じです。また、「中国株の市場について」(該当部分へリンク)でも説明したように、将来的にはA株とB株は統合されるとの見方が市場では一般的で、投資家の間では、その際のB株の高騰も予想されています。

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H株、レッドチップ株
「H株」とは、中国本土で登記を行い、中国証券監督委員会の承認を経て香港取引所に上場している本土企業のことです。つまり、企業の登記場所も主要活動拠点も資本も中国本土に置いている企業が、香港市場に上場すると「H株」と呼ばれます。H株として上場する銘柄数は74社で、時価総額は1412億香港ドル(円換算:約2兆1180億円)※となっています。H株の売買通貨は香港ドルです。

「レッドチップ」とは、国営機関、省市部門が直接的あるいは間接的に所有する香港市場上場企業であり、持株比率は35%以上を維持する必要があります。レッドチップとH株との最大の違いは、本土で登録されるほか香港或いは海外でも登記が可能な点です。レッドチップとして上場する銘柄数は72社で、時価総額は8512億香港ドル(円換算:約12兆7680億円)※となっています。レッドチップ株の売買通貨は香港ドルです。

レッドチップには、大株主が中国本土資本の香港企業が多く、金融、投資、航空、IT、通信などの企業が中心となっています。また、コングロマリットに特化している企業が多いことも特徴です。主として中国の資本によって香港で営業活動を行っている企業が多く、株価は国外の市場や米ドルの相場に連動した推移を見せることが多いのも特徴です。

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メインボード市場とGEM

「メインボード市場」とは、まさに香港のメイン市場であり、813社が上場し、時価総額は3兆6800億米ドル(円換算:約55兆2000億円)となっています。東京証券取引所一部と比べると23%程度です。同市場はアジア有数の国際株式市場であり、流動性に優れているのが特徴です。また、1997年の中国返還以降も「1国2制度」政策のため、中国本土からは海外市場扱いとなっています。そのため、国際化を加速させる本土企業が、世界進出の足がかりとして、国内の「海外市場」である香港市場で続々と上場を果たしました。

「GEM」のGEMは、Growth Enterprise Marketの略で、ベンチャー企業育成のための中小型成長株市場として1999年11月25日に創設されました。166社が上場し、時価総額は554億香港ドル(円換算:8310億円)。東京証券取引所一部と比べると0.3%程度の規模となっています。香港版ナスダックとも言えますが、世界的なネットバブル崩壊の影響を受け、本国・米ナスダックと同様、低迷が続いています。しかし一方で、中国本土の優良な中小企業の上場が増えてきており、徐々に復興へ向けて動き始めています。

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中国株の株価指数

中国本土市場では、上海証券取引所と深セン証券取引所が、さまざまな指数を投資家に提供しています。主なものに上海A株指数・B株指数、深センA株指数・B株指数があります。一方、上場全銘柄の加重平均ではなく、代表的な優良銘柄を選別して、その加重平均から算出する指数もあります。特に、最近運用が始められた上海180指数、深セン100指数は、両市場の動きをより反映したものとして注目されています。

香港市場において、HSIサービシーズ社が提供する株価指数は、香港市場全体を代表する指数であり、最も有名なハンセン(恒生)指数をはじめ、H株指数、レッドチップ指数、GEM指数などがあります。

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香港市場の指数と銘柄の関連性

ハンセン指数を構成する33銘柄の中には、「中信泰富有限公司(0267)」「華潤創業有限公司(0291)」「上海実業控股有限公司(0363)」「中国聯通股分有限公司(0762)」「中国海洋石油有限公司(0883)」「中国移動(香港)有限公司(0941)」「聯想集団有限公司(0992)」「中銀香港(控股)有限公司(2388)」という8銘柄の有力なレッドチップ株が入っています。しかしながら、ハンセン指数構成銘柄にH株の銘柄はありません。これは、ハンセン指数は、純粋に香港企業の株価指数を表すため、本土企業の株価と明確に区別する必要があるからです。

一方、GEM指数に関しては、GEMに上場していれば、それがH株に属するものであっても、レッドチップ株に属するものであっても、その他の銘柄とともに、GEM上場全銘柄の時価総額の加重平均によって算出されます。ちなみに、GEMに上場するH株20銘柄あります。また、GEM市場に上場するレッドチップ株は、「上海実業医薬科技(集団)有限公司(8018)」の1銘柄です。

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各市場の株価指数一覧 (2003年1月15日現在)
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本土市場上場銘柄の特徴

中国本土市場の特徴といえば、上場企業の大部分が国有企業であることが挙げられます。これは、中国という国が持つ体制によって生じる特徴ですが、中国株式市場はそれだけに、他の国の株式市場以上に、国の政治状況や政策の影響を受けやすくなっています。こうした国有企業の中には、中国を代表する企業も多く含まれています。

また、こうした国有上場企業に関しては、発行株式数の多くが国有株として国家に管理下にあるケースが少なくありません。先に挙げた中国石油化工股分有限公司の場合、A株市場だけでなく、香港のH株市場、ニューヨーク市場、ロンドン市場でも上場していますが、2002年6月締めの中間決算報告を見てみると、その総発行済み株式数に占める流通株式の割合は22.6%に過ぎません。流通していない社会法人株22.4%以外の、55%は国有株であり、この部分ももちろん流通していません。同じく2002年の中間決算報告を見ると、宝山鋼鉄股分有限公司の国有株の割合は、85%にも上っています。

ここ数年、中国市場では、国有株の「放出」問題が大きく注目されています。これは、国家の持ち株を売却することで、株式市場をさらに活発化させる一方、国家も社会保障のための資金を得ることを目的とした政策でした。ところが、市場では、低価格で大量のA株が放出されることによって株価が暴落するのではないかとの懸念が高まり、たびたび株価の大幅下落が起こりました。このため政府は、2002年6月、正式に「株式市場を通じた国有株放出政策を中止する」と発表。それにより、本土市場の株価は逆に急騰しました。

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外国人が投資できる市場について

では、中国株市場で、外国人投資家が売買できるのは、どの銘柄なのでしょう?
まず、香港市場では、外国人投資家も、全銘柄を売買することができます。

中国本土市場では、上海、深セン市場にはA株市場とB株市場があることを先に述べましたが、基本的に、A株は中国国内投資家専用、B株は日本人を含む外国人専用市場というように区別がされています。ただ、2001年に国内投資家にB株が開放され、今後はA株、B株の壁をなくそうという動きもあります。

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中国株の整理ポストや取引制限

中国株の取引規定の中には、上場廃止に関する規定が盛り込まれています。具体的には中国本土市場の場合、ある上場企業で数年間赤字決算が続くと、取引制限を受け、その後一定期間内に黒字転換できなければ上場廃止となるという規定があります。

規定はあるものの、上場廃止するということは企業にとって信用を失墜させる最悪の事態であり、中国政府の掲げる国有企業改革とも反することになるので、国からの支援や資産の再編がされるなど、今まで上場廃止されるケースはあまり多くありませんでした。

そうした中、赤字決算が続くなど業績が振るわない企業を上場廃止とする前の、日本株でいう整理ポスト、監理ポストに当たるものが設けられました。1998年に作られたST(Special Treatment・特別処理)制度と、1999年に作られたPT(Particular Transfer・特別譲渡)制度です。これは、言ってみれば上場廃止までの期限付きの猶予期間とも言えるものです。

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ST銘柄とPT銘柄

ST(Special Treatment・特別処理)銘柄となるのは、一般に2年連続赤字決算、または1株当たりの純資産が1人民元を下回った銘柄、PT(Particular Transfer・特別譲渡)銘柄は3年連続赤字決算となった銘柄です。ST・PT銘柄となると、その他の銘柄と区別するため、証券コードの前にSTあるいはPTと表記されます。

国営企業の場合は、ST銘柄となった業績不振銘柄でも、国からの支援を期待して、逆に投機的な資金が流入して株価が乱高下するケースもあります。しかし、こうした銘柄が、業績が著しく思わしくない企業だという認識が必要です。

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ディスクロージャーとは

ディスクロージャー(Disclosure)とは情報開示という意味です。証券業界では現在、全世界的に企業の社会的責任が強調されていますが、証券用語でいう「ディスクロージャー」は、企業が活動状況や経営の現状などに関する情報を、一般に広く開示することを指します。

中国でも、日本や欧米と同じく、『中華人民共和国公司法』や『中華人民共和国証券法』などの法令や各市場の諸規則によって財務諸表や決算報告書の開示が義務付けられています。企業活動の国際化や資金調達手段の多様化が進む現在の市場では、投資家の自己責任原則を求める傾向が高まっており、それに伴い一般投資家や株主、債権者などの権利を保護するディスクロージャーの重要性が世界的に高まっているのです。

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中国株市場の会計基準と決算時期

中国本土のA株市場、B株市場に上場している企業は通常、中国の会計基準に従って決算発表を行いますが、B株上場企業に限って、国際会計基準に基づいて修正を加えた結果の公表が義務付けられています。一方、香港市場に上場している企業は、香港の会計基準または国際会計基準で決算発表します。

決算発表時期に関しては、中国本土市場に上場している企業や香港市場に上場する中国本土系企業の大部分が12月締め決算となっています。中国本土企業は2002年から中間・本決算に加え、四半期決算となっています。香港市場では、GEM市場が四半期決算でメインボードは、中間・本決算となっています。

(表1:香港と中国本土の各市場でのルール)

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中国企業の決算発表方法

中国企業の各決算報告は、証券取引所が指定する中国国内証券紙や香港、その他国外の英字紙、中国語紙上で発表されます。香港企業も、一般に新聞紙上で決算報告を行います。

上海、深セン、香港の各証券市場にはそれぞれ独立したウェブサイトがあり、上場企業に対して、指定新聞紙面での発表と同時に、指定ウェブサイト上への決算報告書の掲載も義務付けています。これにより、一般投資家も、インターネットで各証券市場のサイトを検索することで、中国企業が発表した決算報告の原文に簡単にアクセスすることが可能になっています。

  • 香港証券取引所
    http://www.hkex.com.hk/
  • 香港GEM
    http://www.hkgem.com/
  • 上海証券取引所
    http://www.sse.com.cn/
  • 深セン証券取引所
    http://www.sse.org.cn/
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決算報告の情報開示義務について

中国企業の情報開示に関しては、これまで本決算と中間決算の年2回の定期報告のみが義務付けられていました。中国証券監督管理委員会は、証券市場の改革のため、2002年から四半期決算を導入するとともに、四半期決算の際、赤字を計上する場合や、業績が前年同期を大幅に下回る場合、あるいは大幅に上回る場合には、事前に業績予告を発表することを義務付ける措置をとりました。

四半期決算の発表は、香港GEM市場でも義務となっています。これは、同市場がベンチャー企業育成のための市場であり、メインボードよりも上場基準が緩やかで、実績のない赤字企業にも上場を認めているためで、若い企業にチャンスを与える一方で、情報開示面を厳しくすることで、投資家の権益を保護することを目的としています。

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会計基準の違い

中国本土のA株市場、B株市場に上場している中国企業は通常、中国の会計基準で決算発表を行いますが、B株上場企業に限り国際会計基準(IAS)で修正された結果の公表が義務付けられています。日本と異なり、A株企業、B株企業には決算発表に際して次年度の業績予測の発表は義務付けられていません。

中国本土の上場企業が決算報告で発表する財務諸表には、賃借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)、キャッシュ・フロー計算書(C/F)があります。ただし、日本の会計基準とは若干異なる部分もあるため、注意が必要です。
例えば、P/Lの「営業外収入」の扱いです。日本では、「営業利益」に「投資収益」と「営業外収支」を加減算して「経常利益」を算出し、さらにここから「特別損益」を加減して「税引き前当期利益」を算出します。中国基準では、「営業利益」に「投資収益」と「営業外収支」を加減算する段階で「営業外収支」に「特別損益」も組み込み、算出された数字は「利益総額」と呼びます。「利益総額」は日本でいう、「税引き前利益」に当たります。

一方、香港市場に上場する中国企業は、中国と香港(またはIAS)の会計基準で決算報告を行います。GEMの場合、米国会計基準を採用する企業もありますが、いずれかの基準で継続して決算発表を行うよう義務付けられています。なお、香港会計基準は、IASに基づいて制定されたものです。

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会計基準の変化

中国ではこれまで、企業の業種別、所有制度別(国有企業、集団所有制企業、私企業等)、組織形態別に異なるさまざまな会計基準が存在していました。中国の会計制度が統一に向けて大きな進展を見せたのは、2002年1月の新「企業会計制度」の実施です。新制度は、2001年度には暫定的に中国資本の株式・有限会社に対してのみ適用されていましたが、2002年1月1日からは外国資本企業にも適用されるようになりました。現在も小規模な企業については、別途定められた会計基準を適用していますが、将来的には一本化する方向で進められています。

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上場基準
香港市場の上場基準:
香港市場のメインボードでは、ビジネスストーリー3年以上、時価総額1億香港ドルなどと、上場条件はかなり厳しくなっていますが、ITハイテク関連の若い会社が多いGEMでは、ビジネスストーリーや業績に対する条件がゆるやかになっています。




中国本土市場の上場基準:
中国本土市場では、3年以上のビジネスストーリーがあり、時価総額が5千万人民元以上であることなどが最低条件となりますが、このうえで、国務院の証券管理部門、中国証券管理監督委員会の認可、承認を得ることが必須となります。

H株の香港上場基準:
H株は、香港ではメインボード、GEMにそれぞれ上場が可能ですが、まず、時価総額が5千万香港ドルに達していること、中国国務院証券管理部門の承認を得ることなどが必要です。


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上場廃止基準についても、中国国内、香港それぞれに定めています。下の表におおまかにまとめてみました。上場廃止については、企業側からの要請で行われる他、取引所が上場基準を満たしていない、流通株数が不十分である、などのさまざまの観点から判断して行われます。

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上場廃止基準

上場廃止基準についても、中国国内、香港それぞれに定めています。下の表におおまかにまとめてみました。上場廃止については、企業側からの要請で行われる他、取引所が上場基準を満たしていない、流通株数が不十分である、などのさまざまの観点から判断して行われます。

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CDRとは

China Depository Receiptsの略で、「中国預託証券」を指します。「米国預託証券(ADR)」の中国版とも言えます。海外企業が中国域内で上場し、資金調達するための手段の一つで、中国の金融機関が海外企業の預託機関となり、企業は預託機関の海外信託銀行に株式を委託します。委託された株式は預託機関により海外で代替証券(預託証券)として発行されます。中国では上場が認められていない外国企業でも、CDRを発行することによって間接的に中国本土での上場を果たすことが可能になります。

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QFIIとは

QFII(Qualified Foreign Institutional Investors 有資格国外機関投資家)による中国本土株(A株)の取扱や売買を可能にする制度です。制限付きですが、国内市場であるA株の事実上の対外開放と言えます。

2002年12月1日施行の「有資格境外機構投資者境内証券投資管理暫行弁法(QFII暫定弁法)」によると、申請資格を有する有資格海外機関投資家(Qualified Foreign Institutional Investors = QFII)の条件は以下のようになっています。

  • 投資信託委託会社:業務経験5年以上、直近の会計年度の資産運用総額が100億米ドル以上
  • 保険会社と証券会社:業務経験30年以上、払い込み資本金10億米ドル以上、直近の会計年度の証券運用総額が100億米ドル以上
  • 銀行:直近会計年度の総資産が世界100位以内で、証券運用総額が100億米ドル以上
    となっており、相当の大手でなければ参入できない可能性があります。

また、証券の売買など業務に関しても、以下のような厳しい規制があります。

売買できるのはA株のほか国債、転換社債、社債、その他証券監視委員会が認可したもの。実際の資産管理と証券売買は、有価証券の保管業務を受託する銀行や証券会社に委託しなければなしません。運用を開始した元本は、クローズドエンド型ファンドの場合は3年間、その他のファンドでは1年間経過しないと海外送金はできない。1度に送金できる額は元本の20%までで、次の送金までにクローズドエンド型ファンドは1カ月以上、その他のファンドは3カ月以上の間隔を空けなければならないなど、資金の持ちだしも厳しく制限されています。

2003年1月に香港上海銀行、シティバンクら5行がQFIIのカストディアン資格の認可を受けました。2003年4月現在、QFII資格を得た海外機関投資家はまだありませんが、欧米各大手証券会社をはじめ香港上海銀行、HSBCなどがA株の研究に力を入れており、QFII資格の申請についても意欲を見せています。日本の野村證券も申請しました。

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QDIIとは

QDII(Qualified Domestic Institutional Investors 有資格国内機関投資家)とは、外貨流出入の規制を行っている国で、当局が一部金融機関を指定し、その国の一般の人でも指定機関を通じて、海外の資本市場、特に株式市場の取引を行うことができるようするというシステムです。つまり、中国でこの制度が導入されれば、中国本土の投資家が、香港はもちろん、日本やシンガポールといった国外の株式にも投資できるようになります。
ただし中国では、人民元の資本項目がまだ開放されておらず、QDIIが実施されるとしても、当面、投資対象は香港に限定されるものと思われます。

QDIIが認可された際に、真っ先に資金の流入が予測されているのは、H株です。そうなれば、H株の大幅な値上がりの可能性が予想されています。B株では、2001年2月に国内投資家に開放した後、株価が3倍に上昇する銘柄もありました。

また、QDII制度はA株の株価にも大きく影響すると予測されています。1つの上場企業がA株とH株の双方を上場している場合、株価の低いH株の影響を受け、A株も株価を下げることになります。A株市場全体の相場を下げる可能性もありますが、一方では、投機的投資の空間が狭められ、市場の成熟を促進するとの期待の声もあります。

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コーポレートアクションとは

コーポレートアクションとは、株式分割、株式併合、スピンオフ(部門分割・子会社分割)、オプション発行、自社株買い、企業買収など、特に企業の自己資本に係るアクションを示します。

中国でのコーポレートアクションに関しては、中国本土では1998年から2001年の間に推定で1700件余りのM&Aが行われ、取引総額は1250億人民元に上り、アジア第3のM&A市場にまで成長しています。世界的な大手企業の多くが中国の重要性を認識しており、今後はアジア最大のM&A市場になる可能性があるとの見方をしているようです。

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株式分割

その名の通り、1株を2株に分割する(1対2の株式分割)、または1株を1.25株(1対1.25の株式分割)に分割するといったように、1株の株式を複数の株に分割することです。

例えば、1株を1.5株に分割する(1対1.5の株式分割)の場合、



一見すると持ち株数が増加するため、利益を得たように思われがちですが、分割に伴って発行済み株式総数も増加するため、株式総数に占める自分の持ち分の割合は変わりません。

理論的には発行済み株式総数の増加に伴い、1株当たりの利益・配当・純資産などが分割前と比較して小さくなるため、それに対応して株価の調整が行われます。分割前と分割後では保有している理論上の時価総額はかわらないため損益はないといえます。

よく投資家の方に、「分割前に購入するのと、分割後に購入するのと、どちらがいいですか?」と質問されますが、理論的には「いつ買っても同じ」といえるでしょう。

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株式併合(Reverse Split)

株式分割の逆のパターンが「株式併合(Reverse Split)」です。すでに発行されている複数の株式を併合して、株式併合前の株数より少数の株式とすることになります。

例えばA社の株式を現在の株価10香港ドルで20株、資産200香港ドルを保有していた場合A社が2株から1株へ株式併合を行なったとすると、保有株数は10株となります。持ち株数が減少した分、損失を被ったように見えますが、株式併合後の理論的な株価は20香港ドルとなり、資産は200香港ドルと変わりません。ただし、併合によって1株未満の株式が発生する事があり、その株主は従来通りの権利を保持できない場合があります。

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スピンオフ(Spin-Off)

スピンオフとは親会社が資産の一部を分離して子会社を設立し、その子会社株式を親会社の株主に交付する事によって一つの会社を二つ以上の会社に分ける方法です。この方法の特徴は、親会社の株主が対価を提供する事なく、子会社の株式を受け取ることができるという点です。この際、親会社の株数に変化はなく、かつ親会社の保有数量に応じた子会社株の分配を受けることができます。

企業がスピンオフを行う目的としては様々な理由が考えられますが、例えば、企業内の成長性の高い1部門を独立した企業とすること、または不採算部門を独立させ他社と合併させること等が挙げられます。

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M&Aとは

企業が新しい事業に進出するには主に、下のような2つの方法があります。

【方法1】 【方法2】
内 容 自社の人的・金銭的なリソースを活用し、まったく新規に事業を立ちあげる方法 既にその事業分野で操業している企業、もしくは企業の特定部門を買収する方法(これがM&A)
利 点 この方法はゼロからスタートすることになります。 まとめて一度に人的・設備的な経営資源を購入できる、ノウハウを一気に吸収できる
欠 点 新規設立の場合よりも費用がかかることも多い 企業(事業部門)を買収したはいいが、自社と買収先に多数重複する資源が存在している場合、組織のリストラクチャリング(再構築)がうまくいかないと、買収効果がプラスにでてこない

2002年11月、CSFB(クレディ・スイス・ファースト・ボストン)社は、中国本土でのM&Aは過去5年間、年間70%の成長を実現しており、アジア第3のM&A市場となったとの見解を示しました。1998年から2001年の間に本土内では推定で1700件余りのM&Aが行われ、取引総額は1250億人民元に上り、また、海外企業による中国国内企業の買収は66件で、買収総額は66億人民元にも達しています。

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M&Aと株価

一般的に M&Aが発表されると市場で高く評価されている方の企業の株価は下落し、評価の低い方の企業の株価は上昇する場合が多いようです。理由としては、一般に財務体質のよい、市場で高い評価を受けている企業と、評価の低い企業がひとつになることにより、両企業の評価の間に裁定が働き、その中間に評価が収斂する。 またM&Aの場合の1株当たり買収価格はスポットの株価に比べて高く設定されることが多いため、買収される企業の株は市場でもその設定価格あたりまでは買われるといった要因が考えられます。

その買収が今後発展を見込める場合や経営戦略として評価できるものであると判断された場合には、双方の企業の株価が上昇することもあります。また、買収に費用がかかりすぎだと判断される場合や、買収した企業・事業部門の展開が不明確だという場合には買収した方も買収された方も共に株価が下落することもあります。

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自社株買い

自社株買いとは、株式会社が自己の計算で自社の発行した株式を買戻し、取得する事です。
自社株買いの効果としては、

  • 株式需給を改善して株価を適当な水準に回復させる
  • 当面不要な株主資本を消却して自己資本利益率(ROE) などの資本効率を高める→投資家にとっての市場における自社株式の投資魅力を向上させる

自社株買いによって大きく株価が変動することはあまりありませんが、これは企業あるいは企業経営者の自社株式への関心を反映する重要な行動の一つとして捉えられます。自社の株価が割安に放置されていると判断している、つまり自社の業績に自信をもっているとして受止められれば、株価の上昇・安定につながることにもなります。また、需給面で株価の下支えになるともいえるでしょう。

しかし自社株買いをするためには、それだけの資金も必要になります。一般的には自社株買いは手元資金の豊富な優良企業が行うことが多いようですが、その場合にも自社株買いのための資金コストとその効果の比較によって評価されることになります。


資料出所:DLJディレクトSFG証券