>>会社設立

直接投資には、独資、合弁、合作3種類のかたちがある。投資目的に合った選択が必要。各の長短を考え、最適な進出形態を整備しよう。


◆投資目的に合った会社を作る

中国における外資は、独資、合弁、合作の三つがあります。貴方の会社の投資目的に最も適したものを選びましょう。

@独資は、100%外国資本の会社で、中国の出資者を持ちません。
A合弁は、外国企業
と中国企業とが共同出資して設立した会社です。
B合作は、外国企業と中国企業が共同出資して設立した企業体で、取り決めた期間内ですべてを契約で決めるものです。利益配分が必ずしも出資比率にリンクしていません。日本企業による合作の例が少ないです。

投資目的により、選択の例として
投資目的 企業形態
@安価な労働力・輸出加工型 独資
A中国国内に進出した外資系企業への供給 独資
B原料を中国に求める 独資
C市場を中国国内・海外両方に求める 独資
D希少な原料を中国に求める 合弁
Eマ−ケットを中国個内中心に求める 合弁


◆会社設立に当って、注意事項
どこの国でも、会社設立となるとなかなか面倒です。最も簡単な方法である経済開発区における独資会社の設立について説明しましょう。

各地方政府は外資受け入れに大変熱心です。地方政府と開発区が一体になって、日本企業の進出を歓迎してくれます。会社設立もこのルートと人脈を生かさないわけはありません。通常、開発区の管理委員会には日本語の通訳の方がいます。その人を通して、会社設立事務手続きを代行してもらうのが一番手っ取り早い方法でしょう。
 
通常、開発区はその地方政府が直接に管理している場合が多いので、開発区管理委員会=地方政府の出先機関と考えてください。貴方の設立したい会社の許認可は、よほど大きい会社か特殊な会社でなければ、その地方政府がはんこを押しておしまいです。
貴方は管理委員会に書類さえ提出すれば、あとは任せておけばいいのでする。通常、2週間ぐらいで「批准書」と呼ばれる許可証が出てきます。開発区は、会社を設立することは自分の仕事だと心得ています。


◆会社設立に当って必要な書類
  • 設立申請書
  • 銀行証明
  • 親会社の定款
  • 親会社の過去3年の決算書
  • 親会社の商業登記
  • 取締会のリスト
  • 役員の履歴書とパスポ−トコピ−
  • 親会社から取締会・総経理への派遣状
  • 中国現地法人の定款
  • 現地社長の写真2枚
  • 土地使用権仮契約書
  • フィジビリティスタディ報告書
1、 会社登記場所の確保
 土地を購入する場合は「土地購入仮契約」、事務所の場合は「賃貸借仮契約」を締結して、会社登記をする場所が確保されているとの証明を家主から出してもらいます。

2、 プロジェクト項目建議書の提出
 「1」の書類と貴社(合弁会社の場合はパートナーも)の関連書類と、設立しようとする新会社の「項目建議書」を作成し提出します。会社を設立するかどうかの研究と検討を行うよう当局に申請するという主旨です。営業範囲の決め方次第では、会社設立後、設備輸入の免税申請ができなくなりますので、営業範囲の決め方は大変に重要です。

3、 プロジェクト項目建議書の批准
 当地の対外貿易委員会などが「項目建議申請に対する回答(批復)」という文書で回答を寄越します。一般に、この文書の主要項目(総投資額、資本金、出資比率、営業範囲など)は、下記「4」の会社設立申請の際、変更ができません。変更する場合は、「1」の項目建議書を再提出します。

4、 会社予定名称の仮登記
 工商行政管理局に、予定の会社名称の仮登記申請を行います。コンピューター検索で同類の名称が既に存在する場合、他の名称を検討します。資本関係があるなど、他社が同類名称を使用している場合、その会社から同意書を提出してもらい、許可を得ることもあります。

5、 会社予定名称の仮登記完了
 工商行政管理局から「仮登記が完了したので、予定会社名称を1年間保留し、他社には使用を許可しない」旨の文章を受領します。

6、 合弁契約(合弁会社の場合)と定款及びフィージビリティスタディーを添えて会社設立申請
 最も重要な手続きです。合弁会社の場合、合弁契約は中国側パートナー及び中国政府との基本契約です。独資会社の場合、合弁契約はありませんが、そのかわりの定款は外国出資者が会社を中国に設立するにあたっての、中国政府との基本契約に相当するものです。記載事項が、中国政府が原因で実現できなかった場合、訴訟を起こすことができます。

 また、フィージビリティスタディは、会社の将来事業計画の基礎になるもの。出資の代表者が署名して申請するので、国との契約文書の一種と考えられますが、書き方によって後々に拘束されない形にすることが重要です。 これらはすべて当地の対外貿易委員会などに批准申請のために提出します。


◆中国の銀行との付き合い方
 まず、中国で商売するには、どうしても人民元が必要です。中国政府は少しずつに外資系銀行にも人民元の取り扱い業務の規制を緩和しています。そして、WTO加盟後は規制緩和のスピートがいっそう加速されるものと見られます。しかし、完全な自由化が実現するにはまだ時間がかかるでしょう。

 中国銀行と日本銀行の使い分けると便利です。まず、「外貨借り入れ」は日本の銀行からでも中国の銀行からでもできます。しかし、日系企業が中国の銀行から外貨借り入れを行っている例は多くありません。それは、外国銀行の現地支店による外貨貸し出しについては地理的制限がないからです。つまり、進出した都会に日本の銀行の支店がなくても、上海や大連にある日本の銀行から外貨貸し出しが受けられるからです。

 「外貨預金」は、原則として進出した都会でしかできません。邦銀がその町にあるならそのほうが便利でしょう。無ければ、中国の銀行と話してみることになります。

 「人民元の借り入れ」や「人民元預金」は中国の銀行と話してみては如何でしょうか?また、人民元の扱いのできる上海、江蘇省、広東省などの日本の銀行と話してみる手もあります。

                  中国の主な銀行
銀行名 銀行役割
中国人民銀行 中央銀行
国家開発銀行 政府の政策を遂行するための銀行
中国輸出入銀行 政府の政策を遂行するための銀行
中国農業発展銀行 政府の政策を遂行するための銀行
中国工商銀行 国有の商業銀行
中国建設銀行 国有の商業銀行
中国銀行(為替業務を主とする) 国有の商業銀行
中国農業銀行(農業金融を主とする) 国有の商業銀行

                     日本銀行の在中支店
地名 日系銀行の在日支店
上海 東京三菱、三井住友、三和、第一勧業、富士、日本興業、東海、あさひ
北京 東京三菱、日本興業
大連 東京三菱、三和、第一勧業、富士
深セン 東京三菱、三和、富士
広州 三井住友
青島 山口